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鵺(ぬえ)の鳴く夜を正しく恐れるために〜書評と読者からの声(その3)

稲葉剛著『鵺(ぬえ)の鳴く夜を正しく恐れるために』書評と読者からの声ですが、「その3」です。
どうもありがとうございます!
ここでは掲載の許可を得たご感想と、雑誌などに掲載された書評などを随時アップデートしてお知らせしていきます。
また、読み終えた皆さまからのご感想を心よりお待ちしています。

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20年間で失ったものが見えてくる
『鵺の鳴く夜を正しく恐れるために――野宿の人びととともに歩んだ20年』は、25歳にして「新宿ダンボール村」で野宿者支援を始めた稲葉剛さんの20年におよぶ活動の記録だ。
 病気になった野宿者が行政の窓口で「医療にかかりたい」と訴えても、「自分で稼いで病院に行け」と追い返されてしまう。そんな状況下では野宿者の凍死や餓死も珍しくなく、新宿区内だけで年間に40~50人が路上死に至ったという。
 稲葉さんはそのような過酷な現実を目の当たりにして、「路上死のない21世紀を!」というシンプルで力強い目標を掲げる。
 先頃開かれた本書の「出版を祝う会」では、かつての新宿ダンボールハウスの住人たちがマイクを握って、自らの人生と日本の失われた20年を語り、稲葉さんらの活動によって命と暮らしが救われたことへの感謝を涙ながらに述べたが、ぼくは彼らの話を聞きながら、この20年で失われたのが、憲法25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」であることを、あらためて思い知った。
 生存権を根底から脅かされた人々の「生きたい」という願いと、「生き抜いてほしい」という想いが交差する場所に20年間立ち続けている稲葉さんの言葉はとても貴重だ。決してきれいごとではすまされない、人間の生の尊厳と死の尊厳に向き合い続けてきた人でなければ発することのできない言葉が本書にはあふれている。夢中で読むうちにほとんどのページに付箋がついてしまった。

(盛田隆二さん、小説家)


『読売新聞』(2015年2月19日)「顔」で稲葉剛さんが紹介されました。
取材くださった手嶋さん、どうもありがとうございました!
写真もとてもいいですね。

よみうり



『日刊ゲンダイ』(2015年2月20日(19日発行))の「BOOKレビュー」でが紹介されました。
大きくないスペースのなかで、みっちりとご紹介いただきました。
どうもありがとうございました!

日刊ゲンダイ